生理痛にカロナールを飲まない方がよい理由
【冷え対策に】

鎮痛剤の服用に注意が必要な人

カロナールをはじめとする鎮痛剤は効果的で、
３０分くらいで効果が現れるくらい、とても早くに生理痛の痛みを和らげてくれます。

なので、一時的に使用することは問題ありません。

しかし、冷え性を持つ方や、毎月のように生理痛が重い方が、
長期的に使用することには、注意が必要と考えます。

どういうことかというと、
カロナールには解熱作用もあり、つまり体を冷やす作用もあるということ。

なので、冷え性の方が長期的にカロナールを使用すると
体が冷えて血流が悪くなることで、生理痛が悪化する可能性があります。

また痛みを抑えるだけでは根本的な改善にはつながらないため、
症状が長引くことがあるのです。

安心のためにできること

生理痛が重いひとは、もしかしたら、
気づくべき婦人科系の疾患が隠れているかもしれません。

安心のためにも、婦人科で検査をしていただくのをお勧めします。

生理痛は体からのメッセージです。

検査をしても異常はみつからなかったという人は、
根本から体質を改善することで、生理痛を少しずつ軽減し、
毎月の生活を快適に過ごせるようにしていきましょう。

驚かれるかもしれませんが、鎮痛剤に頼らず、
冷え性や血流を改善することで、生理痛をなくすことは可能なのです。

西洋医学の観点から

西洋医学では、生理痛の原因としてプロスタグランジンという物質が注目されています。
プロスタグランジンは子宮を収縮させる働きがあり、生理中に子宮内膜が剥がれる際、
これが多く分泌されると子宮が強く収縮し、痛みが引き起こされます。

生理痛は、プロスタグランジンの分泌量が多いことや、
ホルモンのバランスが崩れていることによって増悪するとされています。

痛みを和らげるために鎮痛剤（解熱鎮痛薬）は、
プロスタグランジンの働きを抑え、痛みを軽減することが可能というわけです。

しかし、痛みを抑えるだけでは根本的な原因が改善されないため、
毎月の痛みが続くこともあります。

東洋医学の観点から

一方、東洋医学では、生理痛を「未病（みびょう）」と考えます。

未病とは、まだ病気とまでは言えないが、体調が悪くなり始めている状態を指します。

東洋医学では、気（エネルギー）と血（けつ：血液や栄養）の流れが滞ることが、
生理痛を引き起こすとされています。

要するに、冷えやストレスによって血流が悪くなると、
子宮内膜が剥がれる際に痛みが生じやすくなるのです。

特に、冷え性の女性は気血の滞りが起こりやすく、
生理痛が悪化することが多いと考えられます。

東洋医学では、体質を整えることで痛みを根本から治し、
生理痛を改善するアプローチが取られます。

漢方で血流を改善し、体を温めることで、
自然と痛みが軽減されるようにサポートします。

生理痛と冷え性の関係

冷え性の方が解熱鎮痛薬を慢性的に使用することで、
体の冷えが悪化し、さらに血流が滞ることで痛みがひどくなることがあるとお伝えしました。

体を温めることは、生理痛の予防と改善に繋がるため、
悩みのある人は、冷え性対策を取り入れることがとても重要です。

折衝飲（せっしょういん）

含まれている「延胡索（えんごさく）」という成分には鎮痛効果があり、
特に痛みが強い方が使用することで、数ヶ月以内に症状が改善されています。

「今月は、鎮痛剤を飲まなくても大丈夫でした！」
というお声を聞けるのは、毎回うれしいです。

芎帰調血飲第一加減

芎帰調血飲第一加減（きちょうけついんだいいちかげん）と読みます。

生理痛だけでなく、メンタル面での不調も感じる方に適した処方です。

血流を全体的に改善し、冷えや痛みだけでなく、
精神的な安定感をもたらす効果も期待できます。

気血の巡りを促すことで、体と心の両方を整えていきます。

甲字湯（こうじとう）

甲字湯には「経皮」というシナモンの成分が含まれています。

シナモンの成分が血管を拡張し、血流を促進するため、
冷えが原因の痛みを和らげることが期待できます。

体が温まることで、痛みが軽減したという声も多くいただいています。

では、毎日シナモン入りの紅茶を飲めば生理痛によいの？！
という声が聞こえてきそうですが、必ずしもそうとは限りません。

他の生薬との相乗効果であったり、
毎日、数グラムの量を使うことが、お薬としての役割を果たします。

ですが、シナモンが好きな方は、ぜひ毎日取り入れてみてください！

ちなみに、当店ではベトナム産のコルク層を除いた
成分が多く含まれている桂皮を使用しています。

おかげさまで、漢方薬局店内は
漢方のよい香りにつつまれて仕事をさせていただいてます！！

生理痛と冷え性のセルフケア方法

体を温めることは、冷え性の改善にとても重要です。
日常生活の中で、以下のような工夫を取り入れてみましょう。

• 温かい食べ物を摂る：しょうが、にんにくなど、
  体を温める食材を意識的に取り入れてみましょう。
• 入浴：湯船にゆっくり浸かることで、血流が促進されます。
• 服装の工夫：首元や足首や膝を冷やさないように心がけましょう。
• 軽い運動やストレッチ：血流が良くなり、体の冷えを改善することができます。