漢方薬はどのくらいの期間で効果がでるのか
「どのくらい漢方薬を飲んだら効きはじめるのでしょうか?」という質問を度々うけます。
漢方薬は即効性がなく、何年も飲み続けないといけないというイメージをもたれる方が多いようです。
症状がはじまってからの期間や、症状の程度、その内容によってもさまざまです。
今回は、「体質改善したい」という場合の漢方薬の効果についてお話させていただきます。
漢方薬の効果がでるまでの期間
漢方薬の効果を判定する指標として「3日・3月・3年」という言葉があります。
この節目で効果や副作用を判断せよ、という教えです。
症状の内容や程度により異なりますが、まずは4か月しっかり服用を続けてください。
多くの方は、このころまでになんらかしらの体調の変化を実感される方が多いからです。
その変化は急激に表れるものではなく、誰かから指摘されて初めて
「そういえば最近、症状がなくなっている…」
と気づかれる相談者さまは多いです。
そしてその効果がでるまでの期間は人によって違うのですが、
食生活も含めたライフスタイルの改善もあわせて一緒に頑張ることが大きなポイントです。
西洋医学も経験してきて思うのは、有効成分の濃度を一定期間保つこと。
そのために、効かせたい時期(=飲み始めてから4ケ月間)は忘れずに漢方薬を続けてください。
改善の程度や季節の変化、体調の変化によって、漢方薬も適宜変更していきます。
漢方薬から卒業するまでの期間
まずは煎じ薬を飲んでいただき、体がラクになるのを実感してください。辛い症状や気になっていた症状が改善されることを確認していきます。
辛い症状が治まってきたら、徐々に粉薬に変更することができます。粉薬は煎じ薬とくらべたら効果のパワーは弱いのですが、価格を抑えることができるのがメリットです。
漢方薬の飲む回数や量を徐々に減らしていき、体調の悩みが解消されれば漢方薬から卒業です。
そこに至るまでの目安は、多くの方は半年~3年。
ご予算の都合などで早めに漢方薬を中止する場合には、悪化してきたら早めに漢方薬を再開することをお勧めします。症状が悪くなるまで我慢してからの漢方再開ですと、場合によっては回復するまで時間がかかることも多いです。
漢方薬の効果を高めて再発を防ぐためには、自分の体質を把握して、生活習慣を整えることが大切になってきます。
漢方薬の効果を高めるために知っておきたいこと
東洋医学の視点から体調を整えていくことは、相談者さまの改善する様子から「自転車を漕ぐのと似ているかも」と思います。
体調の改善に向かって自転車を漕ぐのは自分。自転車を媚びだすには、最初に力がいりますよね。坂道だったり、自転車のギアチェンジがうまくいってなかったりするとなおさらです。
しかし、軌道に乗って漕いでしまえばラクチン。この漕ぐという動作は、自分で生活習慣を整えたり養生することだと考えてみてください。
そして、漢方薬は漕いでいるあなたの背中を押してくれるお母さんのような存在。
辛いときには、正しい方向に押してもらうことも大切ですね。
しっかり自分の力で漕げるようになった時が、漢方薬から卒業の時です。
まとめ
漢方薬はずっと飲み続けなければならないというイメージがありますが、まずは4ヶ月、一緒にがんばりましょう。
そして体質改善、漢方薬卒業までは半年~3年を目安に。
同じお薬をひたすら3年間飲むというのではなく、症状の変化や季節の変化にあわせて変更していきます。
体調が改善していくにつれて、煎じ薬から粉薬へと移行したり、飲む回数を減らして、漢方薬から卒業する。
そのためには、自分の体質を把握して体調を管理する「養生」を続けることがベースとなります。
漢方薬はその後押しをする道具にすぎません。
養生法、生活習慣を一緒に考えていきましょう。