「息子のトリセツ」から学ぶ!母は知らない「男性脳」の秘密
こんにちは!村田です。
先だって、クロレラ工業さんの勉強会に参加して、
偶然にも人工知能について40年研究されている
黒川伊保子先生の講演を聞く機会がありました。
その内容の深さと面白さに引き込まれ、
気づけば「息子のトリセツ」という本を手に取っていました。
その場で購入し、早速読み始めたところ、まるで自分の子育て経験が
次々と浮かび上がってくるような感覚に陥りました。
これは、息子をもつ母だけでなく、義母の息子でもある夫や、
職場の男性の理解できる大きなヒントになるかもしれませんよ。
男性脳と女性脳の違い
本書で最も興味深かったのは、男性脳と女性脳の違いについての説明でした。
脳の機能は同じでありながら、とっさの判断における回路が異なるという点が、
母として息子を育てる際に生じる理解のギャップを説明してくれます。
例えば、女性は近くのものを見るのに適した回路を持っているのに対して、
男性は目標を定めて遠くを見るのに適した回路を持っているといいます。
黒川先生が例として、コンビニの商品配置の話を挙げてくださいました。
お菓子などの女性向けの商品はレジの近くに置かれ、
男性向けの商品、例えばタバコなどは
レジの向こう側の遠くに陳列されています。
日常生活に脳科学が応用されていることを実感させてくれました。
男子の冒険心と自立心
次に、本書が触れている男子の冒険心や自立心についても、大変共感しました。
男性脳にとって、冒険心や自立心は、本能的なものなのだそうです。
厳しく育てたからといって、これらが確立するものではなく、
しっかり甘やかしてあげることも大切。
そして、甘やかしと過保護は違う。
過保護や過干渉は、自立心を潰してしまう可能性があるのです。
「男性脳を育てるためには、失敗を恐れずに挑戦させること」
失敗経験のない脳に、大冒険は担えないというのも印象的でした。
男の母になったからには、ことの大小はあるが、
母として恐怖に感じるほどの冒険をする瞬間が必ずくる。
この覚悟が、母には必要。
うちの長男くんは、ひとり自転車で旅に出たことがあり、
母としての恐怖を思い出したのでした。
母親と子どもの脳の連動
本書では、特に3歳までの子どもの脳が母親の脳と連動しているという点にも触れています。
母親が悲しければ、子供も悲しい。
逆に、母親が心地よければ、子供も心地よい。これは、まさにその通りだと感じます。
子どもが泣き出した時、私が冷静さを失うと、さらに泣き止まないという経験は、
多くの母親が共感できるのではないでしょうか。
わたしの場合、まだ赤ちゃんだった息子が1時間くらい泣き止まず、
何か病気なのかしら?と夜間救急に連れて行ったら
病院についたとたんに泣き止んでスヤスヤ寝て、
そのまま帰ったという思い出があります(笑)
子どもにとって何が必要かは、母親が決めてよい。
「母が正解である」という言葉も、心を軽くしてくれるものでした。
無理をしなくても、母親自身が心地よくいられることが、
結果的に子どもにも良い影響を与えるのですね。
愛の言葉と子育ての後悔
講演後の懇親会で、黒川先生とお話させていただくことができました。
「うちの子供は高校生。もう遅いですかね?」と質問すると、先生は
「余裕で間に合いますよ」と答えてくださいました。
年齢に関係なく、愛の言葉はいつから始めても効果がある。
50歳の息子にも、響くということです。
子育てにおいて、とかく後悔することは多い気がするのですが、
そんなことは全く必要ないと笑顔で断言されていて、勇気づけられました。
健康的な食事と男子の育成
また、健康的な食事が男子の育成にどれほど重要であるかも、
本書では解説されています。
特にコレステロール、動物性アミノ酸、ビタミンB群が
脳の機能に大きな影響を与えるということ。
私たちが「性格が悪い」と思ってしまう行動も、
実は栄養不足が原因であることがあるのです。
さらに、朝食の大切さについても、黒川先生は強調していました。
甘い朝食が血糖コントロールを乱し、脳の機能を低下させるリスクがあります。
脳の活動は、科学的には電気信号によって行われていますが、
この電気信号を支えるエネルギー源が血糖です。
血糖値が適切に維持されていないと、脳は正常に機能しません。
空腹時でも血糖値が80mg/dLをキープすることが理想で、
これが70mg/dLを下回ると、思考が停滞し始めます。
この低血糖状態は、実は空腹時に甘いものを食べたことが原因で
引き起こされることが多いのです。
これには、今となっては激しく同意できますが、
長男が保育園の頃、朝食にポケモンパンをあげていたこともあった私です。
時間がない朝は、卵かけご飯もよいですね。
男子育てにおけるゴール設定
男子を育てる上で、遠くのゴールを設定することがいかに大切か、
本書で強調されています。
これがないと、日々やる気を高める必要があるというのが、男子の特徴なのです。
息子が何かに取り組む際に、明確な目標を設定できることが、成長を促すカギなのですね。
失敗後のフォローと母親の役割
本書では、失敗後のフォローとして、母親の言動がいかに大事かも指摘されています。
黒川先生は、「ママも〇〇してあげればよかったね」と言いつつ、
一緒に付き添ってあげることが、効果的なフォローであると一例をあげています。
この言葉を聞いて、私も息子が失敗したときには、共感し、
支える姿勢を持つことが大切だと感じました。
母親として、ナイスチャレンジの失敗には共感し、
息子の胸の痛みに寄り添える存在でありたいものです。
「息子のトリセツ」を読んだ後、他の「トリセツ」シリーズにも興味が湧いてきました。
娘のトリセツ、夫のトリセツ、母のトリセツ、などなど
家族全員の関係性について深く学べる内容が詰まっていそうです。
愛媛の版画アーティスト
最後に、本書を読んでいて思い出したエピソードがあります。
偶然知った、愛媛県の版画アーティストの青年についてです。
彼は2歳の時に自閉症と診断され、言葉が出てこない状況でした。
じっと座ることができず、暴れてしまいます。
ご両親は、厳しくも愛情深く、彼を育てられたそうです。
その結果、彼は療育の先生や高校の美術の先生の支援も受け、
世界に認められるアーティストとなりました。
特に印象に残ったのは、彼が小学校5年生の時に
癌で亡くなられたお母さんの、育児日誌です。
その中に、「叱らず、しかし、決して譲らず」という療育の姿勢が
綴られていたことが、深く心に響きました。
成長した彼は、「怖いけど、とても優しいお母さん」
を胸に秘め、その想いを投影した動物の親子を描いています。
「叱らず、譲らず」という言葉は、
自閉症でなくとも、誰しもの子育てに通じるものと感じ、
感慨深いです。
まとめ
黒川先生の講演と「息子のトリセツ」に触れることで、
私自身の子育てに対する視点が大きく変わりました。
息子を理解するヒントが得られたような気がします。
彼の冒険心や自立心を尊重しながら、共に成長していきたいと思います。
興味をもたれた方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。