漢方とは何か?初心者のための徹底解説と基礎知識
「漢方って体によさそうだけど、一体何なのでしょうか?」
という質問、よくいただきます!
最近は健康や美容のために漢方を取り入れる人も増えていますが、
「漢方って、どのようなものなのかな?」と思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「漢方」について徹底解説していきますね。
長文になりましたが、初めての方でも安心して読める内容ですので
ぜひ参考にしてください!
こんな方におすすめの記事です!
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この記事を書いた人
つむぎ漢方薬局 管理薬剤師
村田 明美
のべ約35,000人以上を服薬指導。まるで昔からの友達のような親しみやすい接客と、かかりつけ医のような安心感を与えるカウンセリングを心がけています。
- 日本東洋医学会/日本漢方協会 所属
- 昭和薬科大学生涯学習講師
漢方って何?
「漢方」とは、日本に古くから伝わる伝統医学の一つ。
もともとは中国から伝わり、日本で独自の発展を遂げました。
西洋医学のように「病気そのものを治療する」というよりも、
「体全体のバランスを整える」ことを目的としています。
漢方の由来
その昔、西洋医学は明治維新の文明開花で
本格的に日本に知れ渡りました。
しかし、それまで「漢方」という言葉はありませんでした。
オランダから入ってきた最先端の医術を
「蘭方(らんぽう)」と名付け、
いままでの医術のことを、漢の国から入ってきたことから
「漢方」というようになりました。
中医では、「陰陽五行」という考え方がベースになって、
日本の漢方も、大きな影響を受けています。
「五臓六腑にしみわたるー!」という言葉を聞いたこともあるかもですが、
この「五臓」とは五行論からきています。
この話を深堀していくと「???」という声も聞こえてきそうなので・・・
今回は、「漢方は初めてです!」という方に
漢方の基礎となる概念を解説しますね。
ちなみに、中国では自国の伝統医療を漢方とは呼ばず
「中医(ちゅうい)」としています。
漢方の基本的な考え方
漢方では、体の不調を「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」
という3つの要素のバランスが崩れることで起きると考えます。
- 気(き):体のエネルギーの流れ
気の巡りが悪いと、ストレスを感じやすくなったり、
メンタルが乱れる原因となります。
また、不足していると食欲不振や疲れやすさ、睡眠の質にも影響します。
- 血(けつ):血液や栄養の流れ
血行が悪いと冷えや肩こりが起こるだけでなく、
慢性疾患や女性特有の悩みにも深く関与します。
血が不足することで、栄養素不足・乾燥肌につながります。
貧血とは限りません。
- 水(すい):体内の水分バランス
むくみやめまい、吐き気や下痢など、
水の滞りがこの乱れによって起きると考えます。
ときに、頭痛や鼻水の原因になることも。
漢方は、この3つのバランスを整えることで、
体の中から健康を取り戻そうとする医学。
中医では、陰陽五行という考え方がベースになって、日本も大きな影響を受けています。
漢方の基礎として、この「気・血・水」という概念があるんだーということを知ってくださいね。
西洋医学の視点から考えたら、なんとも信憑性がない考えに思えるかもですが、大真面目なんです!!
漢方薬とは?
漢方薬の特徴、漢方と漢方薬の違い、病院やドラッグストアの漢方薬と漢方薬局で売られているものの違いについて解説します。
漢方薬の特徴
- 自然由来の成分を使用
自然由来の植物や鉱物などから作られた「生薬」を組み合わせて作られています。
例えば、風邪に効く「葛根湯(かっこんとう)」には、葛(くず)という植物の根が含まれています。
- 体質や症状に合わせて処方
漢方薬は、一人ひとりの体質や症状に合わせて調整されます。
同じ肩こりでも、「冷え」が原因の人と「血行不良」が原因の人では
使用する漢方薬が変わる場合があります。
- 体全体のバランスを整える
漢方薬は、単に症状を抑えるだけでなく、体の中から健康を取り戻すことを目指しています。
漢方と漢方薬の違いとは?
「漢方」と「漢方薬」という概念も、混同されがちです。
一般的に考えられている定義と、法的に決められている定義が
混同されているからかもしれません。
漢方薬は、医薬品として厚労省が承認している漢方のこと。
3000年の歴史の中で伝承された中から、戦後に厚労省が承認しました。
なので、人で検証は新たにされなくてもお薬として認められ、
病院で処方されたり、大衆薬としてドラッグストアなどで販売されています。
一方、漢方というと、薬にはならないものの、
昔から体によいとされてきた民間療法のような位置付けと考えています。
例えば・・・
・漢方茶
・薬膳などが、漢方にあたります。
鍼灸も、漢の方から伝わってきた医術なので、広い意味で漢方になります。
また、中国や台湾ではお薬とされていたり、昔の書物にはお薬として収載されていても
日本では薬と認められていない自然薬があります。
こういった商品は、漢方サプリメントとして販売されています。
病院と漢方薬局の漢方薬の違い
病院で処方される漢方薬は、健康保険がきくので、安価に服用できます。
一方で、漢方薬局の漢方はそれに比べると保険がきかないので値段は高くなります。
この違いについて、お伝えしますね。
病院の漢方薬
さきほどお伝えしたように
戦後、日本に広く漢方薬を広めるために
国が定めた漢方薬が保険適応となりました。
もともと、漢方薬は自宅でコトコト煮込んで手間のかかるものでしたが、
小太郎漢方という老舗の製薬メーカーさんが
インスタントコーヒーの製法にヒントを得て
漢方薬を手軽に飲めるように粉にしました。
これにより、手軽に漢方薬が簡単に服用できるようになったのです。
漢方薬メーカーも、医師に漢方について啓発をすすめて、
今では9割ほどの医師が何らかの漢方薬を処方した経験があるようです。
注意したい点は、漢方薬だからといって、
効果が感じられないのに漫然と処方されることもあるということ。
また、漢方の考え方を学んでいない医師が処方する場合、
最後の選択肢として漢方薬を処方する場合があるかもしれません。
一方で、西洋医学の限界を感じる医師は、
積極的に漢方薬を処方されていることも。
「自分に、この漢方薬はどうなのかな?」と思われたら、その旨を医師に相談してみてくださいね。
ドラッグストアの漢方薬
ドラッグストアでも、漢方薬は売られていますね。
どのような症状に効くのかが、一目でわかるパッケージになっていて便利です。
ただし、漢方薬の成分が少なかったりすることも・・・
自分に合う漢方薬がわからず不安なので
購入できないという人もいらっしゃるかもしれません。
そんな人には、漢方薬局に問い合わせていただくのをお勧めします。
漢方薬局の漢方薬
漢方薬局は、チェーン展開しているところと
個人で開業している店舗と2パターンあります。
わたしが思うに、漢方薬局はカウンセリング要素も
治療に大きく影響すると考えますので、
自分と相性の合う先生を選ばれたらよいのではと感じています。
丁寧なカウンセリングが基本ですので、まずは一度
初回相談をされてみてください。
また、置いてある漢方薬は、差別化するために、
病院やドラッグストアでは置いていない商品が多いです。
勉強家の先生が多く、親身になってあなたの身体を診てくれることでしょう。
保険適応ではないけれど、高品質なものが置いてあります。
漢方を効果的に活用するために
実は、漢方薬だけに頼るのではなく、食養生や生活習慣の改善を行うことが、漢方の効き目を高める大切なポイントです。これをベースに整えることで、漢方薬の力を最大限に引き出すことができます。
栄養素の観点からの食養生
- バランスの良い食事を心がける
「五味五色」と呼ばれる漢方の考えに基づき、
甘味、酸味、苦味、辛味、塩味をバランスよく摂ることが重要です。
これにより、体が必要とする栄養素をまんべんなく摂取できます。 - 体を温める食材を積極的に取り入れる
冷えは多くの不調の原因になります。
生姜、ネギなどの体を温める食材を取り入れたり、体を冷やす食材を控えましょう。 - 消化を助ける食事を意識する
胃腸の働きは「気・血・水」の流れに直結します。煮物やスープなど、消化に優しい食事を心がけると良いでしょう。 - 適度な水分量を意識する
仕事に集中していると、つい水分を取るのを忘れがちに。
特に、喉が乾きにくい人は注意してください。
小学校の先生や、幼稚園の先生、看護師さんなど、
自分のタイミングでトイレに行けないという人は、特に注意してください。 - 腸内環境を整える
漢方薬の有効成分は、腸内細菌が働くことで初めてつくられるということが、近年の研究で明らかになってきています。発酵食品をはじめ、腸内細菌のエサになる食物繊維をとりいれましょう。
生活習慣が漢方の効き目を左右する
- 規則正しい生活
不規則な生活は、体内リズムを乱し、「気・血・水」のバランスを崩します。早寝早起きを心がけましょう。 - 適度な運動
運動は「気」を巡らせ、血流を促進します。ストレッチやヨガなど、無理のない運動を取り入れましょう。 - 十分な睡眠
睡眠は体を整える基本です。質の良い睡眠を取ることで、漢方の効果をより実感できるようになります。
考え方を整える
漢方では、体と心は密接に繋がっていると考えます。
そのため、心の状態を整えることも大切な治療の一環です。
ストレスを溜めない工夫
ストレスは「気滞(きたい)」と呼ばれる気の流れの停滞を引き起こします。
趣味やリラックスできる時間を作りましょう。
前向きな思考をもつ
「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方のもと、
心が安定すると体も整います。
無理なく、自然にポジティブな考え方ができるよう意識してみてください。
漢方を最大限に活用するために
漢方薬は、症状を和らげるだけでなく、体質を根本から改善する力があります。
その効果を最大化するには、栄養バランスの取れた食事や規則正しい生活、
そして前向きな考え方が欠かせません。
漢方的な視点で体と心を整えることで、より健康的な毎日を手に入れましょう。
当店では、体質や生活習慣に合わせた漢方薬やアドバイスをご提供しています。
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