更年期の不調は、閉経したら終わる?50代女性が知っておきたい意外な事実
「生理が終われば、更年期の不調も終わるんですよね?」
漢方相談で、こんな質問をいただくことがあります。
最近、急に顔がほてる。夜中に目が覚める。以前より疲れやすい。
まだ我慢できる程度だけれど、この先もっとひどくなったらどうしよう。
そんな不安を抱える40代後半から50代の女性は、決して少なくありません。
実際、内閣府の調査では、50代女性の約56%が、更年期障害に関係する可能性のある症状を感じていました。
では、閉経を迎えれば、こうした不調は自然に消えていくのでしょうか。
(グラフ)更年期を自覚する女性の割合

内閣府 2023年調査に基づく概数。症状の自己認識であり、更年期障害の診断率ではありません。
閉経したら終わり?意外と知られていない更年期の真実
日本では、閉経の前後5年間、合わせて約10年間を「更年期」と呼びます。
ところが、症状が必ずその期間内に終わるわけではありません。
米国の女性を長期間追跡したSWAN研究では、
頻繁なほてりや寝汗が続いた期間の中央値は7.4年。
閉経後も症状が続く女性がいることがわかっています。
「あと少し我慢すれば終わるはず」
そう思っていた方には、少し意外な数字かもしれません。
ただし、全員が長く苦しむわけではありません。
症状の種類も、続く期間も、一人ひとり異なります。
更年期の準備は、50歳からでは遅い?
私は、女性の健康を考えるとき、出産後の過ごし方も大切だと考えています。
妊娠・出産は、女性の体にとって大きな出来事です。
産後の睡眠不足、栄養状態、骨盤底の健康、そして妊娠中に経験した病気などは、その後の健康管理を考えるうえでも重要な情報になります。
もちろん、産後ケアをすれば更年期症状がなくなると証明されているわけではありません。
けれど、女性の体を、妊娠・出産、更年期、閉経後と切り離して考えるのは、少しもったいない気がします。
そして、産後から何十年もたった今からでも、できることはあります。

ホルモンだけでは説明できない、体の変化
更年期の不調には女性ホルモンの変動が関係しますが、それだけですべてが決まるわけではありません。
睡眠、ストレス、栄養、運動習慣、持病なども体調に影響します。
漢方では、こうした状態を「気・血・水」のバランスから捉えます。
なかでも、今回、注目したいのは「血(けつ)」です。
中医学の「血」は、現代医学でいう血液そのものと完全に同じ概念ではありません。全身を養い、心身の働きを支えるものとして考えられています。
では、閉経後の女性は、何に気を配ればよいのでしょう。
閉経後こそ大切にしたい、体の巡りと排泄
月経がなくなると、毎月の出血もなくなります。
ここで、「早く閉経したほうがラクになるからいいわ、」と考える方もいるかもしれません。
実際には、月経は子宮内膜が剥がれ落ちる生理現象。
便、尿のように体の主要な解毒経路と同じく、女性にとって大切な排出経路です。
私たちの体では、肝臓がさまざまな物質を代謝し、腎臓が尿をつくり、消化管も不要な物質の排出に関わっています。汗の主な役割は体温調節ですが、漢方では排出のひとつとも考えます。
つまり、閉経後に経血から毒素を排出できなくなるとき、主要な解毒経路の流れが滞っていると、どこかしらに不調が噴出する。
そんなふうに思いをめぐらせながら、お客様の不調の原因を考えることも多いのです。
一方、漢方の養生では、食事、睡眠、便通、活動量などを含め、体全体の働きにも注目します。
閉経後に本当に大切なのは、「何かを無理に出すこと」ではなく、体が本来持っている働きを取り戻していくこと。
ここに50代からの健康づくりの大切なヒントがあると考えています。

更年期を怖がるより、今の体を知ることから
「まだ軽い症状だから、もう少し様子を見よう」
そう考える方も多いでしょう。
けれど、今のうちから体調の変化を見過ごさず、睡眠や食事、運動習慣を見直すことには意味があります。
症状が気になる場合は、婦人科などで相談することも大切です。
漢方相談では、冷えやほてり、身体のどの部位が不調なのか、眠り、胃腸の状態などを丁寧に伺い、一人ひとりの体質を考えていきます。
更年期は、ただ耐えて通り過ぎる時期ではありません。
これからの自分の体と、改めて向き合う機会でもあるのです。
歳を重ねるのが楽しみになるカラダと暮らし。
50代からの健康について、一緒に考えてみませんか。

漢方薬剤師より
歳を重ねるごとに、体からのメッセージが少し増えてくるという話はよく聞く話です。
若い頃は無口だった体も、おしゃべりになってため息をついているなら、
せっかくですから、やさしく聞いてあげましょう。
案外、大切なことを教えてくれているかもしれません。
そう考えるのが、漢方の考え方のような気がしています。
最近、夜中に何度も目が覚めるという方は、睡眠の質が下がる原因と対策も参考にしてみてください。毎日の習慣から見直せることをご紹介しています。
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ひとりで悩まず、更年期の症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。