生理痛は我慢するもの?漢方で語る原因と、閉経後の意外な関係
「お母さん、今日は生理痛がひどくて……」
そんな娘の言葉に、昔の自分を重ねることはありませんか。
お腹が痛くても学校へ行き、鎮痛薬を飲んで仕事をする。毎月のことだから、特別なこととは思わなかった。
「私もそうだったわ。温かくして休みなさい」
つい、そんな言葉が出てしまいます。
閉経した今となっては、もう遠い昔のこと。
けれど、あの頃の生理痛について、誰かに詳しく相談したことはあったでしょうか。
若い頃の生理、覚えていますか?
漢方相談では、50代、60代の女性にも、若い頃の生理についてお尋ねすることがあります。
「二日目はいつもお腹が痛かったですね。でも、みんなそうでしょう?」
そう話される方は少なくありません。
生理痛は珍しい症状ではありません。子宮を収縮させる物質の働きによって痛みが生じることもあれば、子宮内膜症などの病気が関係している場合もあります。
漢方では、痛む時期や場所、冷え、経血の状態なども大切な手がかりです。
なぜ、そんな昔のことまで尋ねるのでしょう。
実は、そこに漢方ならではの考え方があるのです。

漢方が大切にする「血の巡り」
東洋医学には「瘀血(おけつ)」という言葉があります。
血の巡りが滞った状態を表す、漢方独自の概念です。
生理痛の背景を考える際にも用いられますが、すべての生理痛が瘀血によるものではありません。
漢方では、痛みだけでなく、冷えや疲れやすさ、睡眠、食事なども含めて、一人ひとりの状態を見ていきます。
同じ生理痛でも、合う漢方薬が同じとは限らないのです。
そして、この「瘀血」という考え方は、閉経後の女性にも関係しています。
生理が終わっても、からだは覚えている
ここで、少し意外なお話をしましょう。
生理が終わっても、生理痛の背景にあった体質まで変わったとは限らないのです。
中医学では、若い頃の生理痛に関わっていた瘀血の病機が、閉経後も続き、別の不調として現れることがあると考えます。
月経という症状がなくなっても、その背景にあったからだの状態が、すべて解消されたとは限らないということです。
もちろん、閉経後の不調がすべて瘀血によるものではありません。瘀血は現代医学の病名ではなく、東洋医学における体の捉え方です。
それでも、若い頃の生理の様子が、今の健康を考えるヒントになる。
「もう閉経したから関係ない」と思っていたことが、実は今の自分を知る手がかりになるのです。

娘には、同じ我慢をさせたくない
もう一つ、お伝えしたいことがあります。
私は、生理痛はないのが理想的な状態だと考えています。
生理痛はよくある症状ですが、我慢するのが当たり前ではありません。
強い痛みや日常生活に支障のある痛みは婦人科で原因を確認することが大切ですし、症状や体質によっては漢方薬も治療の選択肢になります。
もし娘さんが生理痛に悩んでいたら、
「私もそうだったから仕方ないわね」
ではなく、「我慢しなくていいのよ。相談してみたら?」
そう伝えてみませんか。
若い頃の自分にはできなかったことを、今、娘に伝えられる。
歳を重ねることには、そんな素敵な役割もあるのかもしれません。
漢方薬剤師より
つむぎ漢方には、生理痛のお悩みも多く寄せられます。
生理痛には、症状や体質に応じて漢方薬が用いられます。
大切なのは、痛みだけでなく、その背景にある体質を見極めること。
つむぎ漢方では、一人ひとりに合った漢方をご提案しています。
※強い生理痛や悪化する痛みがある場合は、まず婦人科での診察をおすすめしています。


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