生姜の効果を活かす、料理のヒント - 漢方医学からのトリビア

1)あっという間に完売!? スピリチュアルな生姜とは…

えっ!もう売り切れ!?

生姜があっという間になくなる、という現場を目撃!

そこは、八百屋さんではなく、

激安スーパーでもなく、朝市でもありません…

 

なんと、、、

 

そこは神社です。

 

こちら、芝大神宮。東京の三田に鎮座いたします。

 

 

このまえの漢方研究会の帰り道、ちょうどお祭りだったのでちょっと寄ってみました。

 

境内には、なんとも立派な生姜が奉納されているではありませんか。

 

そして、ご祈祷された「御膳生姜」がお守りと並んでおりました。

 

お土産にいくつかいただいていこう!と思った私は財布をみてびっくり!

現金が足りない!! ちかごろはsuicaで何でも買えるので…(汗)(言い訳…)

 

ところが、近くのATMで引き出してから神社に戻ると…

御膳生姜が「最後の1個!!」

 

ほんの数分のあいだで、あっという間になくなっていたのです。

 

お守りと同じなのでしょうから「売り切れ」とは言いませんねぇ。

 

、、、ということで

自宅用にいただくことができた、「福のある」ありがたい生姜がこちら!

 

 

この日はだらだら祭りということで、期間限定の「御膳生姜」をいただけたのでした。

 

ご利益のある期間限定生姜、現在お供え中。

いつ使うのか、タイミングが微妙ですね…

 

生姜は、漢方医学では医薬品となる効能効果があります。

まさにご利益のある食材なのです。

2)生姜の知られざる効能

生姜といえば、漢方を生業としている私にとっては興味深い食材。

漢方医学の世界では生姜とかいて「しょうきょう」と読みます。

 

 

この生姜、いくつか種類があります。

「生姜:しょうきょう」

「乾姜:かんきょう」

「良姜:りょうきょう」…

 

 

今日は、いつもの料理に応用できる豆知識。「しょうきょう」と「かんきょう」について少しご紹介しますね。

 

 

漢方薬では、「しょうきょう」と「かんきょう」を使い分けます。

原料は同じ生姜です。

 

なにが違うかというと、その加工方法。

「しょうきょう」は、生姜をそのまま乾燥させたもの。

「かんきょう」は、生姜を蒸してから乾燥させます。

 

じつは、この「しょうきょう」と「かんきょう」は、メーカーや産地、加工方法によって大きく品質が異なるのです。

 

生の生姜に含まれる6-ギンゲロールは、熱を加えることによってその一部が6-ショウガオールに変化します。

熱を加えても、加えてなくても、両方の成分は含まれているのですが、ギンゲロールは胃薬として、ショウガオールはポカポカ体を温める作用をします。

 

なので、「しょうきょう」にはギンゲロールが多く含まれるため胃薬、

「かんきょう」にはショウガオールが多く含まれるために体を温める作用として、古来より使い分けられています。

 

この効能を日々の献立で当てはめてみると、

冷ややっこやお刺身の薬味、サラダなどに生で食するすりおろした生姜には、胃薬や解毒作用が。

鍋や炒め物で加熱して使う生姜には、身体を温める作用が、より強くでるということですね。

 

ただし、胃腸によいからということで胃腸の弱い方が生の生姜を大量に食べると刺激が強すぎてかえって調子が悪くなることも。

適量で取り入れてくださいね。

 

3)最強のポカポカ作用の生姜づくりとは

ところが、漢方薬で薬として出回っている生姜を調査したデータをみると驚くべき事実がわかりました。

 

「しょうきょう」、「かんきょう」にはギンゲロールとショウガオール、どちらの成分も含まれていてパターンがあるはずなのですが、

中には「かんきょう」なのに「しょうきょう」の比率になっているものもあったのです。(*)

 

分析データによると、体を温める作用を期待して「かんきょう」を使っていたのに、中の成分は「しょうきょう」と変わらないものがあったということです。

 

今年開催された東洋医学会のセミナーで、中国での生薬の品質調査の話を聞きました。

そのなかで、生姜の話がありましたが…

 

「かんきょう」は生姜を蒸してつくられるが、その蒸し時間で含まれる成分が大きく異なる

蒸す時間が8時間以上になって初めて、ポカポカ作用であるショウガオールが増え始める。

しかし、実際には30分程度しか蒸していないかんきょうが多く出回っており、

それらにはショウガオールがそれほど増加していない。

 

という内容でした。

 

 

で、各生薬メーカーさんにいろいろお伺いしてみたり調べてみたところ、

当店で使われている「かんきょう」には、安定的にポカポカ成分であるショウガオールが含まれておりましたので一安心。

 

先日、ある生薬メーカーさんが「10時間蒸した乾姜が発売されます!」とサンプルを持ってきてくださいました。

 

それがこちら

ちょっとかじってみましたが、なかなかの刺激ですねー。

硬くて刻むのが大変ですが、煎じてポカポカ差を試してみたいと思います。

 

 

4)お手軽にポカポカするには、赤乾姜も便利!

乾姜が粉末になっている赤乾姜。

料理やドリンクにも手軽に入れられ、サッと溶けるのでとても便利です。

お好みに合わせて量も調整できます。

 

赤肉乾姜100%のピュアな粉末。

 

当店では、100gから小分け販売しております。

これからの季節、手軽にポカポカ最強ドリンクで免疫力アップもいいですね。

 

 

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参考(*)会津医療センター漢方医学研究室のデータ調べ

「漢方の臨床」第65巻第3号2018より

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